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作文の書き方

自由に文章を書くのは好きだけれど、作文を書くのは苦手という人は多いのではないでしょうか。そして、作文を書くのがうまくなるために、「何回も書いているうちにいつかは上達するはずだ。とりあえず、書いてみよう。」と、書く回数だけ増やしている人もいるのではないでしょうか。

全く作文を書かかない人よりは、書いた人のほうが作文を書くことに慣れるでしょう。けれど、ただやみくもに書き続けても、あまり上達はのぞめません。作文を書くときに大切なのは、作文の書き方を知ることです。「書き方を知っているのと知らないのとでは大違いである。」と断言できます。そこで、知っているだけで大違いの、作文の書き方のコツについて、今からご紹介させていただきます。

うまい作文とは、一言でいうと、「読みやすい、わかりやすい作文」です。読みやすい作文を書くためには、表記のルールを守って書くことが大切です。表記の間違いは入試作文でも減点対象になるので、しっかり覚えておきましょう。

表記

作文用紙の使い方を守って書く
ほとんどの作文は、縦書きの作文用紙に記入します。書き出し、段落の初めは一マス下げて書く、拗音、促音も一マス使って書くなど、作文用紙の使い方を守って書きましょう。

誤字、脱字をせず、正しい送り仮名、仮名遣いで書く
文字の間違いはとても目立ちます。正しい表記で習った漢字をなるべく使って書きましょう。

文末の統一
文体には、「~です。」「~ます。」と丁寧な文体の敬体、「~だ。」「~である。」と簡潔な文体の常体があります。同じ作文の中で、敬体と常体が混じらないように、文末はどちらかに統一して書きましょう。

読点の打ち方
作文用紙1行以上の文に読点(「、」)が一つも打たれていないと、読みにくいだけでなく、意味の伝わりづらい文になります。内容が正しく伝わるように、意味の切れ目で読点を打つようにしましょう。

書き言葉
作文は、ふだん友人と会話する口調のようないわゆる話し言葉でなく、書き言葉で書きます。略語、造語、ら抜き言葉、い抜き言葉、さ入れ言葉なども使わないようにしましょう。

長い一文
書きたいことが思い浮かんだときに、一気に書こうとして一文が長くなりすぎてしまうことがあると思います。一文が長くなりすぎると、読みにくくわかりづらい文になります。また、主語と述語のかみあわない文になる場合があるので、一文は2,3行までを目安に書くようにするとよいでしょう。

書く内容

作文では、与えられた課題を理解し、課題の内容に応じた作文を書くことが求められます。作文の課題を大まかに分類すると、以下のようなタイプがあります。

体験型
課題の内容に基づいた自分の体験、体験から感じたり考えたりしたことを書くタイプ。
課題のテーマに沿った体験を挙げて書くようにします。思い浮かぶ体験 がたくさんある場合、その中で最も印象に残っている体験を挙げて書くと よいでしょう。また、その日の体験をすべて書くのではなく、課題のテー マに関わる部分を中心に書くようにしましょう。

課題文型
課題文を読んで、それに対する自分の考えを書くタイプ。
課題文を読んで筆者の考えを読み取り、その内容に対しての考えを書くタイプ、課題文中の傍線部にあてはまる考えを書くタイプ、課題文で取り上げられているテーマについての考えを書くタイプなど、いろいろなタイプがあります。課題の内容をきちんと把握して、それに合った内容を書くようにしましょう。

ディベート型
「賛成か反対か」「どちらかを選んで」など、立場を選んで、その立場を選 んだ理由を書くタイプ。
「立場を選んで」とある場合、自分が選んだ立場をはっきり示して書くこ とが必要です。「どちらでもない」「選べない」などと書くと、課題の指示 に従った内容にならないので、注意しましょう。 たとえば、賛成の立場を選んだ場合、反対の立場を選ばなかった理由の みを詳しく書き続けても説得力に欠ける内容になります。自分が選んだ立場の理由を中心に書くようにしましょう。

資料型
資料を見てわかること、気づいたことを挙げ、その内容をもとに考えを 書くタイプ。
出題される資料の数は、一つのものもあれば三つのものもあるなど、さまざまです。資料が複数の場合、それぞれの資料からわかることを書くのではなく、複数の資料を結びつけてわかることを書くようにしましょう。また、資料から読み取ったことを詳しく書きすぎると、考えが十分に書けなくなります。資料から読み取ったことを簡潔にまとめて書くことも必要です。

発表原稿型
課題で与えられた条件に従って、発表原稿を書くタイプ。
ここ数年入試作文で出題が増えています。 「学校のある地域を住みやすくするためにどうすればよいか」など、話し合いの場面で取り上げるテーマについて話し合うとき、グループや自分で発表する内容を書きます。住みやすくするための方法を書く場合、その方法を実行したいと考えた根拠、その方法の具体的な説明などを書くとよいでしょう。発表原稿は、敬体で書くのが望ましいでしょう。

書く分量

せっかく正しい表記で課題の指示に従って書いても、指定された字数を満たしていない、指定された字数を超えている場合、入試では大きな減点になったり、読んでもらえなかったりします。また、入試では制限時間が設けられています。そこで必要なのが、書く分量を考えて時間内に書く力です。

作文を書き始めるときの場面を想像してみてください。「課題を読んで、何を書こうか思い浮かべている間に時間がどんどん過ぎていってしまう。何も書かないまま時間が過ぎて焦ってしまい、書くことを思い浮かんだときまでのことを書いたり、なぜそのことを書くことにしたかなどを書いたりした。そして、本来最も書かなければならない内容にやっとたどりつけた。けれど、残りの字数はほぼなくて書きたかったことがもう書けない。不完全燃焼。」このようなことはありませんか。

作文では、課題で聞かれたことについて書くことが求められます。たとえば、「『春の思い出』という題で書きましょう。」という課題で書く場合、

「春という言葉を聞いて、わたしが思い浮かぶのは桜です。桜といえば、お花見をしたことが思い出されますが、今まで何回かしたお花見の中で最も印象に残っているのは、今年、家族で姫路城に行って、お花見をしたことです。」

上記の内容に割いた字数は102文字、1行20マスの作文用紙6行分に相当します。200字の作文であれば残り4行、80字分でお花見のときのようすやそのときの気持ちを書かかなければいけません。これでは、おそらく十分な内容は書けないでしょう。

一方、「今年の春、家族で姫路城に行って、お花見をしました。」と書き出した場合、書き出しの一文は25文字なので、その後十分にお花見のときのようすやそのときの気持ちが書けます。

この違いがなぜ起こるかもうおわかりでしょう。そうです。書く内容、書く順番、書く分量を決めているかいないかの違いです。

「はじめ、なか、おわり」「段落」について学校で習ったと思います。「はじめ、なか、おわり」は、どの順序を考えて書くこと、段落とは「文章の中にいくつかある小さな内容のまとまり」のことです。つまり、各段落に何をどれくらい書くか決めてから書き出すとよいのです。

たとえば、「『長い間大切に使っている物』という題で書きましょう。」という課題で書く場合、
①長い間大切に使っている物は何か
②なぜ大切に使っているか
③これからどのように使っていきたいか
という順番で書くと流れよく書けるでしょう。そのとき、②の部分が伝えたいことのポイントになります。そこで、「はじめ、なか、おわり」の「なか」の部分に最も書きたいことを書くようにします。書く内容、書く順番が決まったら、それぞれを何行くらいで書くか決め、決まったら書き始めましょう。

これまでの内容は理解していただけましたか。では、ここからは、継続して書くことの大切さについてお伝えします。
サッカーや野球の練習を10日間休んだら、その休んだ分を取り返すのにどれくらいかかりますか。何倍もの日数がかかりませんか。作文を書くことも同様です。書き方のコツを覚えたら、期間を開けすぎずに書く機会を設けるようにしましょう。継続して書くことで、書く力が定着します。多くの課題に触れることで書ける内容の幅が広がります。書くスピードも上がります。

そのうち、課題を見ただけで、書く内容、書く順番、書く分量がすっと思い浮かぶようになり、「もう、作文を書くことに慣れたよ。」と言えるようになるでしょう。 継続して作文を書いていると、「この言葉いいな、今度作文を書くとき使ってみよう。」「あっ、こんな表現のしかたがあるんだ。」と、それまで気にしていなかった言葉や表現にも自然に興味がわいてくるでしょう。「素敵だな」と感じるものがあれば、どんどん取り入れて書いてみましょう。ただし、用法は間違わないように注意してくださいね。

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