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読書感想文の書き方

まず、本を選ぼう

毎年夏休みになると、読書感想文の宿題に頭を悩ませている人は多いのではないでしょうか。「課題図書」と本の指定がない場合、自分が読みたい本を選んで書けばよいので、まだ気が楽です。本によっては、読書感想文が書きにくい内容のものもあるので、本の選定も重要です。

あの本なら書ける
「心に残っている本と聞くと、今でもその本がすぐ思い浮かぶ」、「その本に出会ったことで、自分の考えや行動が大きく変わった」という本があるなら、その本を再度読んで書くとよいでしょう。真の素直な感動があることが、書きやすさだからです。

この本なら書きやすい
ふだんあまり読書をせず、毎年読書感想文を書かなければならない場合、同じ本の感想ばかり書くわけにはいかないので、新たに本を読まなければなりません。そのときは、今話題になっている本で自分が興味を持てそうなものを選ぶとよいでしょう。「今話題になっている」ということは、世相を反映しているものでもあるでしょうから、なじみのある話題でしょう。また、多くの人の書評も出ているでしょうから、どのような内容かもわかるでしょう。他には、自分と同じ世代の人物が主人公のもの、自分が尊敬している人物に関連するものなどもよいでしょう。興味や関心があるということは、ふだんからその人物や事柄に関して感じたり考えたりしていることがあるでしょうから、読みやすく、感想も書きやすいでしょう。要は、自分が読みやすい本を選ぶとよいのです。

本が見つからないときは
それでもなかなか読みたい本が見つからない場合は、インターネットに自分の気になるワードをいくつか入力して、本を検索してみるのもよいでしょう。

選んだら一気に読もう
夢中になって一気に読める本と出会えたらしめたものです。それだけで読書感想文はぐっと書きやすいものになるはずです。

読むときのコツ

読みながら気になったワードやセリフをメモする、それらがある場所や印象に残った場面が書かれているところに付箋をはっておくなどしておきましょう。実際に読書感想文を書き始めたとき役立ちます。

書く前に!

読書感想文には、「これが正解」というものがありません。本を読んで感じたことの内容を自由に書けばよいのです。ただ、書く流れ、書く内容、書かないほうがよいことを知っておいたほうが書きやすさが増します。

書くときの注意点

読書感想文で最も多い例は、ほとんどが読んだ本のあらすじになっているものです。もちろん、どのような本であったのかを示すために、ある程度本のあらすじを書くことは必要です。ただ、読書感想文は、どのような本かを紹介するものではなく、本を読んだ自身の感想をメインに書くものです。本全体のあらすじを書くのではなく、本の中で最も印象に残った場面を挙げて書くとよいでしょう

読書感想文には、字数制限があるものがほとんどなので、簡潔に表すことを心がけましょう。では、一般的な読書感想文の書き方の例をご紹介します。

さあ、書いてみよう!(書く内容と順番)

①本を読んで最も印象に残った場面を紹介する。

印象に残る場面がいくつかあっても、それらをすべて書くと、場面を挙げるのに字数 を多く割きすぎて、肝心の感想が書けなくなります。そこで、最も印象に残った場面を 挙げるようにしましょう。

主人公や登場人物が発した言葉などが印象に残った場合は、その言葉をそのまま引用 するほうがよいでしょう。場面の状況を表す場合は、本どおりにその内容を書くのでは なく、たとえば、本の主人公(登場人物)が「どのようなときに、どうしたのか」「何が 起こったか」など、場面の展開を簡潔に説明するようにしましょう。

読書感想文の場合、 読み手がその本の内容をまったく知らない場合もあるので、そのことを考慮して、本を読んでいない人にもわかるように書く工夫が必要です。

②その場面を読んでどう思ったか。

「主人公の行動はすごいと思った」「素晴らしいと思った」「感動した」などが、読書 感想文でよく見かけるフレーズです。一度は書いたことがあるのではないでしょうか。

「すごく」とだけ書いても、何をすごいと思っているのかがわかりません。「素晴らしい」「感動した」なども同様です。たとえば、「(主人公のAが友人Bを助けようと教室から駆け出した。この部分は場面のようすなので、①でもう少しくわしく表します。)その場面を読んで私は、友人に対する熱い思いを即座に行動に移したAの行動力が素晴らしいと思った。」のように、「何が」「何に」「どうなのか」など表し、読み手にわかるように書いてみましょう。

どのように心が動かされたかを、オノマトペや慣用句、たとえ、比較表現などを用い、工夫して書くとよいでしょう。

使える表現例
熱いものがこみ上げる、息を呑む、感極まる、感無量、感涙にむせぶ、心が洗われる、心に残る、心が弾む、心が晴れる、心に刻む、心に響く、心を躍らせる、心を突き動かす、心を揺さぶる、強く心を打たれた、深く感銘を受けた、胸が熱くなる、胸がいっぱいになる、胸に響く、胸に迫る、胸を打たれる、胸を焦がす、胸を詰まらせる、胸を衝く、目が覚めるような、目頭が熱くなる、どきどき、きゅんとする、ぐっとくる、はらはら、わくわく

③自分だったらどうするか。どうしたか。

印象に残った場面を自分の生活に置き換えたとき、自分ならどうするか、自分が主人 公や登場人物なら、どうするかなどを考えて書きましょう。このとき、主人公や登場人物と違う部分、同じ部分がわかるように書くとよいでしょう。また、自分も同じような 体験をしたことがあるなら、そのときの事を挙げて書いてみましょう。

必ず自分の体験 でなければいけないことはありません。身近な友人や家族、周りの人(同じ世代、世の中にはこのような人が多い)の例を挙げて書いてもかまいません。

④本を読む前と読んだ後、どんな変化があったか。

本の内容から気づいたこと、学んだことなどをもとに、自分のものの見方や考えがどのように変化したかを書きましょう。そのとき、読む前と後を言葉で表現すると、どのように変化したのかが読み手にはっきり伝わります。どう変化したかを書くだけでなく、その事をもとに、これからどのようにしようと思っているか、行動や心がけを書くと、読書感想文をうまく締めくくれます。

その他の書き方の例 テーマ別

以下のことをテーマにして書くときのポイント

★本を読んで感じたこと別★(こんなことかを感じた!)

読み始めと読み終わりであった大きな変化(時間の経過による変化)
話の内容、印象、感じ方など、どんな変化があったかをもとに書く
ア 主人公が体験をとおして成長した。
イ 主人公を取り巻く環境が変化した。
ウ 想像した話の展開と違っていた。
エ 題名から想像した話と違っていた。
※以上のことを感じたとき、どのように変化したか、変化の根拠は何かがわかるように 書くのがポイント。ア、イは主人公の変化、ウ、エは読み手の変化を書くことに注意 しよう。

数年前読んだ本を再度読んだときの変化(現在と過去の比較)
「数年前読んだとき、○○について~と感じたが、今回は~と感じた。」と数年前読んだ ときと変化した感想の内容、「それは、自分にこんなことがあったからだ。」と変化のきっかけになった体験や数年の間に自分がどう成長したかにつなげて書くのがポイント。

主人公、登場人物に対する疑問
読書感想文では、いいことばかりを書く必要はない。主人公、登場人物のとった行動が 自分には理解しがたいことであったのであれば、「なぜそのような行動をとったのだろう。私ならこうする。」など、自分との違いを挙げることからスタートして書こう。なぜそのような違いが生じたと思うか、本の内容から分析し、自分なりの意見を書くのがポイント。反論などを書く場合、根拠を交えて書くのがポイント。ただし、作品や作者の批判にならないように注意すること。

問題意識(未来に向けて)
自分が過ごす日常の環境、社会の状況、人間関係などの中で、このままではいけないと 感じたことをもとに書くタイプ。なぜそう感じたかの根拠、どうするべきだと感じたかな どを明確に書くのがポイント。

同じ事が自分にもあった(過去を振り返る)
主人公や登場人物と同じ体験をしたことをもとに書くタイプ。そのときの状況、感じたことの共通部分や異なる部分を挙げ、自分の考えを書くのがポイント。

話の結末が書かれていない(結末を想像する)
推理小説ではなくとも、小説や物語の中で何か事件や問題が起こり、それが解決しない まま話が終わるものも、主人公がその後どのような行動をとったかがわからないものもある。その場合、自分が問題解決者となり、話の続きを書いてみよう。

★何をテーマにして書いた本か★(こんな本を読んだ)

テーマ別
「家族愛 友情 自然の大切さ 命の尊さ」
これらは、本のテーマとしてよく取り上げられているものだ。作品をとおして何を伝えたかったかを読み取り、どのような内容からそのテーマを感じたか、今後どのようにしようと思ったかを書くのがポイント。

種類別
空想やファンタジー
空想やファンタジーの場合は、現実には起こりえないことが書かれている。自分が主人 公だったらどうしたか、実際にそのような世界になったとき自分なら何ができるか、今何をするべきかを書くのがポイント。

ノンフィクション
事実をくわしく知ることでどのようなことを学び考えたか、テーマになっている事実に 対し、意見をしっかり書くのがポイント。自分とその事実に関わりがある場合、自身の例を挙げて書こう。

歴史物
歴史小説や歴史上の人物の伝記など過去の時代の世界が書かれている場合、今そのよう な状況であれば自分はどうするか、その人物が存在しなければどうなっていたかなどを現代の生活と結びつけて書くのがポイント。

伝記
その人物の功績による恩恵、もしその恩恵がなければどうだったかを書く。または、そ の人物の人となりと周りの人や自分との違いを挙げて考えを書くのポイント。

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